連載|利回り重視シリーズ 第5回
東南アジアリゾートの賃貸利回り実態|バリ・プーケット・ダナンの手取り比較
利回り重視海外不動産東南アジアリゾート
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WealthAtlas 編集部国際投資リサーチチーム
公開:2026-03-30
最終更新:2026-04-15
読了:約12分
「バリで利回り12%」「ダナンで15%」。販売資料に並ぶ数字は、ほぼ全てが表面利回りです。稼働率・管理費・修繕積立・税金を差し引いた実質利回りは、その半分前後に収束します。
本稿では、東南アジアの代表的リゾート3都市(バリ/プーケット/ダナン)について、2026年4月時点の稼働データをもとに「表面→手取り」までの差し引きプロセスを分解し、富裕層が取りやすい戦略を示します。
結論|取りやすい都市
1
ベトナム・ダナン
手取り利回り7.2%。ドル連動のリゾコンが中心で、現地管理会社の質も年々向上。相対的に安定感のある市場。
2
バリ・ウブド/スミニャック
手取り6.8%。通年稼働率が高く、ヴィラの所有ストラクチャー(HGB/リースホールド)に慣れが必要だが、熟練者には魅力的。
3
タイ・プーケット
手取り5.9%。コンドミニアム区分所有で個人名義保有可能。観光シーズナリティで稼働に波。
リゾート物件は「誰が運営するか」で利回りが決まります。物件スペックより管理会社のトラックレコードを優先して検討してください。
表面から手取りまでの構造
リゾート不動産の利回りは、以下の順に削られていきます。
| 項目 | 影響の大きさ | 備考 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 12.0% | 満室想定の販売資料ベース |
| ▲ 稼働率調整 | -3.0% | 通年平均稼働65〜75%で試算 |
| ▲ 管理会社手数料 | -1.5% | 売上に対し20〜30% |
| ▲ 修繕積立・保険 | -0.7% | 築10年以降は上振れ要注意 |
| ▲ 現地所得税 | -0.8% | 国により10〜25% |
| 実質手取り | 6.0% | 為替前、日本の総合課税前 |
都市別の比較
| 都市 | 物件タイプ | 取得価格帯 | 稼働率 | 手取り利回り |
|---|---|---|---|---|
| バリ(ウブド) | プライベートヴィラ | 3,000〜8,000万円 | 70% | 6.8% |
| プーケット | コンドミニアム | 2,500〜6,000万円 | 65% | 5.9% |
| ダナン | リゾートコンド | 2,000〜4,500万円 | 72% | 7.2% |
失敗パターン
販売資料の「想定」稼働に乗ってしまう
よくある失敗パターン
売主は85%稼働で試算することが多いが、現実は65〜75%。想定と実態の差が利回りを2〜3%押し下げる。
回避策
必ず過去24カ月の実績データを要求し、STR社などの第三者データと突合する。周辺競合の稼働率も確認。
管理会社の選定を不動産会社に丸投げする
よくある失敗パターン
販売不動産会社と運営管理会社のインセンティブは一致しない。紹介される管理会社の品質にばらつきが大きい。
回避策
管理会社は独立に選定し、運営実績3年以上・稼働率の一次データ・手数料体系を比較したうえで契約する。
出口戦略を考えず取得
よくある失敗パターン
リゾート物件は築10年を超えると流動性が急落。売却出口は「次の個人投資家に転売」が基本で、法人買い取りは稀。
回避策
取得時から5〜7年以内の売却を前提に、立地・ブランド・管理会社の将来性を評価する。
運用戦略
01
管理会社の契約条件を精査
固定家賃保証型と運営委託型では、リスク配分が真逆です。富裕層向けには透明性の高い運営委託型(売上連動手数料)が推奨。
02
1都市に集中しない
同一国内で2物件保有するより、ダナン×バリなど国分散で為替・政治リスクを分散する方が長期では安定。
03
現地法人化 vs 個人名義
タイ・ベトナムは外国人の不動産所有制限があり、現地SPVや区分所有での保有が一般的。税務上のメリットと引き換えにランニングコストが増える。
よくある質問(FAQ)
Q1.資産保全としての位置付けは?
リゾート不動産はインカム物件として扱うべきで、相続・資産保全目的には向きません。出口の流動性が限定的なため、ポートフォリオの10%以内に留めるのが現実的です。
Q2.自分で使用する前提の購入はアリですか?
自己使用期間を年30日以内に抑えれば、運用利回りはほぼ維持できます。60日以上使用すると手取りは2〜3%落ちる計算に。
Q3.為替ヘッジはすべきですか?
現地通貨建てのインカムを円転するタイミングを3カ月単位で分散するだけで、実質的にヘッジと同等の効果が得られます。
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執筆 EDITORIAL TEAM
WealthAtlas 編集部
国際投資リサーチチーム
43カ国×21資産を横断調査するWealthAtlasの編集チーム。一次ソースに当たり、富裕層向けの海外投資情報を毎日更新しています。
出典・参考文献
- [1]STR (CoStar Group) — Asia Pacific Hotel Performance Report Q1 2026: https://str.com/data-insights/news/asia-pacific
- [2]Knight Frank — Asia-Pacific Residential Review Q1 2026: https://www.knightfrank.com/research/asia-pacific-residential-review
- [3]JLL Hotels & Hospitality — Asia Pacific Hotel Investment Highlights 2026: https://www.jll.com/hotels-hospitality
- [4]Tourism Authority of Thailand — Visitor Statistics 2026: https://www.mots.go.th/more_news_new.php
- [5]Bali Statistics Agency (BPS Bali) — Tourism & Accommodation Data: https://bali.bps.go.id
- [6]Department of Tourism Philippines — Visitor Arrivals Report: https://www.tourism.gov.ph
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定物件の購入を推奨するものではありません。記載の稼働率・利回り・価格は2026年4月時点の参考値です。海外不動産投資には価格変動・為替・法制度・流動性の各リスクが伴います。投資判断にあたっては最新の一次情報と専門家の助言をご確認ください。