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連載|利回り重視シリーズ 第1回

【2026年版】海外不動産 利回りランキングTOP7|ドバイ・マレーシア・フィリピン…実質8%超の国はどこ?

利回り重視海外不動産ランキング2026年版
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WealthAtlas 編集部国際投資リサーチチーム
公開:2026-04-01
最終更新:2026-04-10
読了:約12分

日本国内の不動産投資は、都心部の利回り低下と建築費高騰で、かつての「表面利回り6%以上・実質4%」という水準が崩れつつあります。一方で海外に目を向ければ、同じ予算で実質利回り6〜8%を狙える都市が複数存在します。

ただし「高利回り=良い投資」ではありません。通貨リスク、送金規制、所有権の制限、現地税制、空室率──それらを総合した税引後・為替ヘッジ後の実質利回りで比較しなければ、海外不動産の実像は見えてきません。

本稿では、WealthAtlas編集部が43カ国を横断調査した中から、2026年時点で日本人富裕層が現実的にアクセスでき、かつ実質利回りで上位に位置する7都市を厳選。表面利回りの裏にあるコストとリスクまで、データでお伝えします。

結論|実質利回りTOP3と選定基準

先に結論からお伝えします。2026年4月時点の実質利回り(税引後・為替ヘッジ込み)でランク付けすると、上位3都市は以下の通りです。

1
ドバイ(UAE)
法人税9%・所得税0%の税制優遇に加え、賃貸需要が旺盛。実質利回り約8.2%。
2
バリ島(インドネシア)
リゾート賃貸の稼働率が高く、Airbnb運用で実質7.5%。外国人所有制限に注意。
3
クアラルンプール(マレーシア)
MM2Hビザで長期滞在可。利回り6.8%と安定性のバランスが最良。
選定基準:(1)日本人が法的に所有可能 (2)年間管理コスト・現地税を控除後の実質利回り (3)為替変動リスクを過去5年のボラティリティで評価 (4)送金・資金回収の難易度 ──この4点で総合スコアを算出しました。

海外不動産が再注目される理由

海外不動産への関心は、2020年代後半に入って再燃しています。背景には、国内不動産市場の構造的な変化と、日本円の長期的な下落圧力があります。

国内不動産の「実質利回り3%時代」

都心の新築ワンルームマンションは、表面利回り4%台、管理費・修繕積立金・固定資産税を差し引くと実質2〜3%まで下がるケースが一般化しました。一方で建築費は10年前比で1.4倍、金利もじわじわと上昇局面に入り、国内だけで安定したインカムを得る難易度は上がっています。

参考指標:東京23区の新築区分マンション平均表面利回り 約3.8%/実質利回り 約2.5%(編集部調べ、一般公開情報より集計)

円安と通貨分散ニーズの高まり

長期の円安基調は、海外不動産を「インカム資産」と「通貨ヘッジ資産」の二重の役割で魅力的なものにしています。ドル建て・ディルハム建て・リンギット建てで資産を持つことは、円資産に偏った日本人富裕層にとって現実的な分散戦略となりつつあります。

7都市の比較データ(利回り・税率・リスク)

以下は、編集部が候補として絞り込んだ7都市の主要指標です。数値は2026年4月時点の概算であり、実物件によって変動します。

順位都市表面利回り実質利回り所有権送金難易度
01ドバイ(UAE)約 9.5%約 8.2%フリーホールド
02バリ島(インドネシア)約 9.0%約 7.5%リースホールド
03クアラルンプール(マレーシア)約 7.5%約 6.8%フリーホールド
04マニラ(フィリピン)約 7.2%約 6.3%コンドのみ外国人可
05バンコク(タイ)約 6.5%約 5.7%コンドのみ外国人可
06ポルト(ポルトガル)約 5.8%約 5.0%フリーホールド
07ホノルル(米国・HI)約 4.8%約 4.5%フリーホールド
上記の数値は一般公開情報・現地ポータル・編集部ヒアリングからの参考値です。実際の投資判断にあたっては、必ず物件ごとの実データと最新の税制・法規制を確認してください。

利回りランキングTOP7(都市別詳細)

ここからは、1位から順に、各都市の特徴・利回りの源泉・注意点を整理します。

RANK01
UAE / MIDDLE EAST
ドバイ(Dubai)
Dubai Marina Skyline
所得税・キャピタルゲイン税ともに0%という強力な税制に加え、観光・金融ハブとしての賃貸需要が旺盛。ディルハムは米ドルペッグで通貨リスクも限定的。

利回りの源泉:観光客・駐在員の長短期賃貸需要、法人移転に伴う住宅需要、イベント(EXPO・COP等)需要。新築供給も旺盛ですが、人口流入がそれを上回るペースで続いています。

主なリスク

  • 新築供給過剰築浅中古、需要エリア(Marina・Downtown)に絞る
  • 観光需要の変動長期賃貸とのミックス運用
  • 管理会社品質のばらつき複数見積もり、稼働率実績の開示確認
RANK02
INDONESIA / SOUTHEAST ASIA
バリ島(Bali)
Bali Ubud Villa
リゾート賃貸(Airbnb等)での高稼働率が利回りを押し上げ。一方で外国人はリースホールド(長期借地)が原則で、出口戦略の設計が必須。

利回りの源泉:欧米・豪州・アジアからの観光客による短期賃貸需要。ウブド・チャングーエリアでは年間稼働率70%を超える物件もあります。

  • 所有形態(リースホールド)契約残存年数を重視、延長条項を必ず確認
  • 天災(地震・津波)地盤・立地・保険
  • 送金規制現地口座開設と送金ルートの事前確認
RANK03
MALAYSIA / SOUTHEAST ASIA
クアラルンプール(Kuala Lumpur)
KL City Center
フリーホールドで所有可能、MM2Hビザで長期滞在も選択肢に。利回りと安定性のバランスが最も取れた都市。

利回りの源泉:域内ハブ化に伴う駐在員需要、国際学校エリアのファミリー向け需要。新築供給は多めですが、KLCC・モントキアラなどコア立地は底堅い。

  • 最低購入価格(州ごとに異なる)事前に最新の州規制を確認
  • リンギット為替変動ドル定期預金と組み合わせて通貨分散
  • 新築供給過剰リスク築浅中古、稼働実績のある物件に絞る

失敗しないための5つの戦略

01

表面利回りで決めない

現地ポータルに表示される利回りは多くの場合「表面」です。管理費・固定資産税・空室率・送金コストを差し引いた実質利回りで比較しましょう。
02

通貨ヘッジを前提にリターンを計算する

利回りが高くても、通貨が10%下落すれば1年分のインカムが吹き飛びます。過去5年のボラティリティを確認し、必要に応じてドル建て資産と組み合わせます。
03

出口(売却)から逆算する

リースホールド・外国人所有規制がある国では、出口戦略を買う前に設計してください。転売先が現地人に限られる国もあります。
04

現地管理会社を複数比較する

海外不動産の運用品質は管理会社で8割決まります。稼働率実績・入居者募集チャネル・送金フローを必ず複数社で比較してください。
05

日本側の税務(確定申告・為替差益)を織り込む

海外不動産の賃料収入・売却益は日本で課税対象です。日本の税理士と連携し、事前に税務フローを設計してから契約しましょう。

よくある失敗とその回避策

失敗1:完成前物件(プレビルド)で工期遅延・未完成

よくある失敗パターン

販売時の利回り想定が完成後に大きく乖離。最悪の場合、プロジェクト中止で資金が戻らないケースも。

回避策

実績のあるデベロッパーを選ぶ、エスクロー口座経由の支払いを条件とする、完成済み物件も検討肢に入れる。

失敗2:管理会社が見つからず空室が続く

よくある失敗パターン

購入後に管理会社探しを始め、稼働率が想定の半分以下に。利回りは一気に悪化。

回避策

購入前に管理会社と仮契約を結び、稼働率保証や手数料条件を固めておく。

失敗3:現地口座開設ができず送金が詰まる

よくある失敗パターン

賃料の送金ルートが確立できず、現地に資金が滞留。円転できないまま為替リスクだけ抱える。

回避策

購入前に現地銀行口座を開設し、国際送金ルート(SWIFT・Wise等)を事前テストする。

よくある質問(FAQ)

Q1.海外不動産の賃料は、日本で確定申告が必要ですか?
日本居住者であれば、全世界所得課税の対象となり、海外不動産の賃料収入も日本で申告が必要です。現地で源泉徴収された税は外国税額控除の対象になる場合があります。必ず国際税務に詳しい税理士にご相談ください。
Q2.自己資金いくらから始められますか?
都市・物件によりますが、東南アジアのコンドなら日本円換算3,000万円台から、ドバイのミドルクラス物件なら5,000万円台から、リゾート物件なら8,000万円以上が一つの目安です。ローンを使う場合は現地銀行の金利(6〜8%台)が利回りを圧迫するため、キャッシュ購入の比率を高める戦略も有効です。
Q3.為替リスクはどの程度織り込めばよいですか?
過去5年のボラティリティで見ると、新興国通貨は年±10〜15%動くのが通常です。利回り8%の物件でも、通貨が10%下落すればその年のリターンはゼロになり得ます。ドルペッグ通貨(AED等)や、複数通貨での分散を組み合わせて設計しましょう。
Q4.物件の管理はどのように行うのですか?
ほぼすべてのケースで現地の賃貸管理会社に委託します。年間賃料の8〜12%程度が一般的な管理手数料です。契約前に「稼働率実績」「入居者募集チャネル」「修繕対応フロー」「送金スキーム」の4点を必ず確認してください。
Q5.出口戦略(売却)はどう考えればよいですか?
購入時点で「誰に・どの価格帯で売るか」を決めておくのが鉄則です。外国人間で売買が完結する都市(ドバイ等)と、現地人にしか売れない都市では流動性が全く異なります。リースホールドの国では契約残年数が購入価格に直結します。
執筆 EDITORIAL TEAM
WealthAtlas 編集部
国際投資リサーチチーム

43カ国×21資産を横断調査するWealthAtlasの編集チーム。一次ソース(各国統計局・税務当局・不動産ポータル)にあたり、富裕層向けの海外投資情報を毎日更新しています。特定の販売会社・仲介業者からの原稿料は受け取らない独立メディアとして運営。

出典・参考文献

  1. [1]Dubai Land Department — DXBinteract Rental Performance Report Q1 2026: https://dxbinteract.com
  2. [2]NAPIC (National Property Information Centre, Malaysia) — Property Market Report 2026 Q1: https://napic.jpph.gov.my
  3. [3]Colliers International Philippines — Metro Manila Residential Market Report Q1 2026
  4. [4]Bank of Thailand — Property Market Statistics: https://www.bot.or.th/en/statistics
  5. [5]INE Portugal (Instituto Nacional de Estatistica) — Housing Price Index (IPHab) 2026
  6. [6]National Statistics Office of Georgia (Geostat) — Real Estate Market Report: https://www.geostat.ge
  7. [7]CBRE Cambodia — Phnom Penh Real Estate Market Outlook 2026
  8. [8]IMF World Economic Outlook Database April 2026: https://www.imf.org/en/Publications/WEO
  9. [9]World Bank Doing Business Archive / B-READY Indicators: https://www.worldbank.org/en/programs/business-enabling-environment
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品・物件・事業者の購入や契約を推奨するものではありません。記載のデータ・利回り・税率は2026年4月時点の参考値であり、実際の投資成果を保証するものではありません。海外不動産投資には為替・法規制・流動性等のリスクが伴います。投資判断にあたっては、最新の一次情報を確認のうえ、必要に応じて税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。WealthAtlasは本記事に起因する一切の損害について責任を負いかねます。