日本 / 札幌 シリーズ
札幌人口データ|197万都市の構造変化と「道内一極集中」の実態
最終更新:2026年4月
札幌日本人口動態需要
最終更新:2026年4月
読み物パート|人口減少時代にも世帯数は増え続ける札幌の特異性
札幌市の人口は2022年をピークに減少に転じた。2025年8月時点の推計人口は約196.8万人。「人口減少=不動産投資リスク」と短絡的に考える投資家は多いが、札幌の場合、この単純な図式は当てはまらない。
なぜか。世帯数が増え続けているからだ。2025年、札幌市の世帯数は初めて100万世帯を突破した。当初の推計では2030年の99万世帯がピークとされていたが、実績はそれを5年も前倒しで上回った。単身世帯・高齢者世帯の増加、そして離婚率の上昇や晩婚化が背景にある。
不動産投資、とりわけ賃貸経営にとって重要なのは「人口」ではなく「世帯数」だ。1人暮らしが増えれば、同じ人口でも必要な住戸数は増える。札幌のワンルーム・1LDK需要が底堅いのは、この世帯構造の変化が根底にある。
もう一つ注目すべきは「道内一極集中」の加速だ。北海道の総人口は約510万人まで減少しているが、札幌市だけで道内人口の約38%を占める。旭川・函館・帯広といった地方都市からの人口流入が続いており、札幌は北海道内における「ミニ東京」の様相を呈している。
区別に見ると、中央区・豊平区は人口横ばい〜微増を維持する一方、南区・清田区では減少が顕著だ。投資エリアの選定では、この区別トレンドを把握することが不可欠である。
データパート|札幌人口の全体像と区別データ
札幌市の人口・世帯数推移
| 年 | 人口 | 世帯数 | 1世帯あたり人員 |
|---|---|---|---|
| 2015年 | 1,952,356人 | 921,280世帯 | 2.12人 |
| 2018年 | 1,970,175人 | 953,914世帯 | 2.07人 |
| 2020年 | 1,973,395人 | 970,476世帯 | 2.03人 |
| 2022年 | 1,975,065人 | 990,538世帯 | 1.99人 |
| 2023年 | 1,972,840人 | 999,200世帯 | 1.97人 |
| 2024年 | 1,970,100人 | 1,005,800世帯 | 1.96人 |
| 2025年 | 1,967,952人 | 1,012,801世帯 | 1.94人 |
※2025年は8月1日時点の推計値。2020年は国勢調査確報値
区別人口・世帯数(2025年住民基本台帳ベース)
| 区 | 人口 | 世帯数 | 人口増減(前年比) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 中央区 | 約253,000人 | 約152,000世帯 | ±0〜微増 | 都心回帰で底堅い。投資需要最大 |
| 北区 | 約290,000人 | 約155,000世帯 | 微減 | 北大周辺の学生需要、麻生エリアが人気 |
| 東区 | 約265,000人 | 約140,000世帯 | 微減 | 地下鉄東豊線沿い、割安物件多い |
| 白石区 | 約214,000人 | 約120,000世帯 | 横ばい | 交通利便性高い、再開発余地あり |
| 豊平区 | 約225,000人 | 約125,000世帯 | ±0〜微増 | 学園前・福住エリアが堅調 |
| 西区 | 約218,000人 | 約113,000世帯 | 横ばい | 琴似・発寒が生活利便性◎ |
| 厚別区 | 約125,000人 | 約62,000世帯 | 減少 | 新さっぽろ再開発で注目 |
| 手稲区 | 約141,000人 | 約67,000世帯 | 減少 | JR沿線、戸建て需要中心 |
| 南区 | 約131,000人 | 約65,000世帯 | 減少顕著 | 高齢化・山間部多い、投資は慎重に |
| 清田区 | 約113,000人 | 約50,000世帯 | 減少顕著 | 地下鉄なし、車社会、需要は限定的 |
年齢構成の変化
| 年齢層 | 2015年 | 2020年 | 2025年(推計) | トレンド |
|---|---|---|---|---|
| 年少人口(0〜14歳) | 11.4% | 10.7% | 9.8% | 少子化が加速 |
| 生産年齢人口(15〜64歳) | 63.2% | 61.0% | 59.5% | 緩やかに減少 |
| 老年人口(65歳以上) | 25.4% | 28.3% | 30.7% | 高齢化が進行 |
道内一極集中の実態
| 年 | 北海道総人口 | 札幌市人口 | 札幌占有率 |
|---|---|---|---|
| 2000年 | 5,683,062人 | 1,822,368人 | 32.1% |
| 2010年 | 5,506,419人 | 1,913,545人 | 34.7% |
| 2015年 | 5,381,733人 | 1,952,356人 | 36.3% |
| 2020年 | 5,224,614人 | 1,973,395人 | 37.8% |
| 2025年 | 約5,100,000人 | 1,967,952人 | 約38.6% |
札幌市への転入超過数(社会増減)
| 年 | 転入超過数 | 主な転入元 |
|---|---|---|
| 2020年 | +3,841人 | 旭川、函館、帯広、釧路 |
| 2021年 | +5,210人 | コロナ禍でのテレワーク移住増 |
| 2022年 | +4,876人 | 道内地方都市からの流入継続 |
| 2023年 | +4,520人 | 半導体関連移住の兆候 |
| 2024年 | +4,200人(推計) | 千歳方面の社会増が波及 |
将来人口推計(国立社会保障・人口問題研究所ベース)
| 年 | 推計人口 | 2020年比 |
|---|---|---|
| 2025年 | 約197万人 | ▲0.3% |
| 2030年 | 約191万人 | ▲3.2% |
| 2035年 | 約184万人 | ▲6.8% |
| 2040年 | 約175万人 | ▲11.3% |
| 2045年 | 約164万人 | ▲16.9% |
※世帯数は2035年頃まで増加が続く見通し
不動産投資への示唆
- 世帯数増加=賃貸需要は健在:人口が減っても単身・高齢世帯の増加で世帯数は2035年頃まで伸びる。ワンルーム〜1LDKの需要は今後10年は底堅い
- 区の選別が不可欠:中央区・豊平区・北区は人口維持力が高く、投資適格度が高い。南区・清田区は避けるのが無難
- 道内一極集中は投資家の味方:地方からの流入が続く限り、札幌の賃貸市場は道内で唯一の成長市場であり続ける
- 出口戦略の時間軸:2035年以降は世帯数も減少に転じる可能性。15年以内の出口設計を推奨
出典・参考リンク
- 札幌市|人口統計
- 札幌市|住民基本台帳人口
- 札幌市|推計人口
- 札幌市統計書(令和6年版)- 人口
- 北海道庁|住民基本台帳人口・世帯数
- アルター|札幌一極集中と北海道の人口動態(2025)
- アルター|札幌市の人口減少と世帯数
- 札幌医科大学|札幌市の人口の推移(区・地域別)
- 不動産連合隊ジャーナル|札幌の区を徹底解説
免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。人口データは各出典の公表時点のものであり、最新値は各機関の公式発表をご確認ください。