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MARKET REPORT / 日次2026-04-28(火)朝 7:00 集計

日銀据え置き+植田総裁「Iran物価高リスクで利上げ対応」|UAEがOPEC脱退発表で原油構造変化、Iran戦争61日目でWTI98.60ドル+2.31%・日経-1.02%反落で60,000円割れ

4月28日(火)、東京市場の日経平均は59,917.46円(-619.90、-1.02%)と反落し、前日定着したばかりの60,000円大台を再び割り込みました。同日午後の日銀金融政策決定会合は政策金利を据え置きと決定、植田総裁会見では「Iran情勢の影響で物価高騰リスクが強まれば利上げで対応する姿勢」を示しつつ、景気の変動への目配りも必要と慎重姿勢を強調しました。米国市場ではS&P 500が7,173.91(+8.83、+0.12%)、NASDAQ総合が24,887.10(+50.50、+0.20%)と僅か上昇で記録高値圏を維持、Starbucksが+6.2%既存店売上で通期見通し上方修正、GMが米最高裁の相互関税無効判決により約800億円の関税返還見込みを開示しました。週明けから週中盤にかけての主要動向は、(1)UAEがOPECを脱退と正式発表(約60年の加盟に終止符、原油市場の構造変化)、(2)Iran戦争61日目でホルムズ海峡封鎖継続と日本関係大型タンカーの初通過、(3)WTI原油が一時100ドル超(朝7時時点$98.60、+2.23、+2.31%)、(4)世界銀行がエネルギー価格 前年比+24%上昇予想(ウクライナ侵攻以降最高水準)、(5)Kone(フィンランド)がTK Elevatorを€29.4B(約$34.4B)で買収と発表(欧州PE史上最大級のExit)、(6)UBS Q1利益+80%急増(中東戦争由来のトレーディング活況が背景)、の6点。為替はドル円159.39(-0.01、-0.01%)とほぼ横ばい、ユーロ円186.42(-0.20%)、ポンド円215.36(-0.17%)と対円小幅軟化。米10年債利回りは4.34%(+0.03、+0.60%)と上昇継続、金(NY先物)は$4,648.70(-45.00、-0.96%)と続落、銀は$73.42(-2.15%)と急落。暗号資産はBTC76,504(-1.43%)、ETH 2,274(-1.83%)、SOL 83.71(-1.83%)、BNB 622.44(-0.51%)と全面下落。今週は4/29米Q1 GDP速報・5/2米雇用統計・5/6 FOMCに向けて重要イベントが続き、Iran情勢の長期化織込みとUAE-OPEC離脱の波紋が同時に進行する展開が予想されます。以下、本レポートの時刻基準は、米株・米債・米コモディティは米国時間4/27引け値(=日本時間火曜早朝5:00頃)、日経は日本時間4/28火15:00引け、欧州株は欧州時間4/27引け(=日本時間4/28未明)、為替・暗号資産は日本時間4/28朝7:00時点とします。

主要株式指数

S&P 500
SPX
7,173.91
+8.83 (+0.12%)
NASDAQ
IXIC
24,887.10
+50.50 (+0.20%)
日経平均
N225
59,917.46
-619.90 (-1.02%)
STOXX 600
SXXP
607.02
-1.82 (-0.30%)

為替(対円)

米ドル/円
USDJPY
159.39
-0.01 (-0.01%)
ユーロ/円
EURJPY
186.42
-0.37 (-0.20%)
豪ドル/円
AUDJPY
114.33
-0.19 (-0.16%)
英ポンド/円
GBPJPY
215.36
-0.37 (-0.17%)

金利・コモディティ

米10年債利回り
US10Y
4.34%
+0.03 (+0.60%)
金(NY先物)
GC
4,648.70
-45.00 (-0.96%)
WTI原油
CL
98.60
+2.23 (+2.31%)
銀(NY先物)
SI
73.42
-1.61 (-2.15%)

暗号資産

ビットコイン
BTC/USD
76,504
-1,110 (-1.43%)
イーサリアム
ETH/USD
2,274
-42 (-1.83%)
ソラナ
SOL/USD
83.71
-1.56 (-1.83%)
BNB
BNB/USD
622.44
-3.20 (-0.51%)

全体観|日銀据え置き+植田会見「Iranインフレで利上げ対応」、UAE OPEC脱退で原油構造変化、Iran戦争61日目でWTI100ドル超

4/28(火)の市場は「日銀据え置き+植田ハト寄り会見+UAE OPEC脱退+Iran情勢長期化織込み」の四層構造で展開。日経平均は59,917.46円(-1.02%)と反落し前日定着したばかりの60,000円大台を再び割り込みました。日銀の政策金利据え置きは市場予想に整合的でしたが、植田総裁会見の「Iranインフレで利上げ対応するが景気にも目配り」というハト寄り含みのバランスコメントを受けて利上げ織込みは65-70%→55-60%に後退、円安再加速の地合いとなりました。米株はS&P 7,173.91(+0.12%)、NASDAQ 24,887.10(+0.20%)と記録高値圏で僅か上昇、Starbucks既存店+6.2%・GM関税還付800億円見込みなど決算ニュースが下支え。

原油市場ではUAEがOPECを正式脱退と発表、約60年の加盟に終止符を打つ歴史的決定として欧州各紙は「OPECの存続を脅かす」と論評。同時にIran戦争は61日目を迎え、ホルムズ海峡の事実上封鎖が継続、Trump大統領「Iranは崩壊状態」発言と湾岸首脳サウジ会合で地政学プレミアムが再上昇。WTI原油は取引中$100ドル超え(朝7時時点$98.60、+2.31%)、世界銀行は「2026年のエネルギー価格 前年比+24%上昇」と予測しウクライナ侵攻以降の最高水準と警告しました。日本関係の大型タンカー(目的地:名古屋)がIran許可を得てホルムズ海峡を初通過、日本のエネルギー輸入に短期的安心材料も。

欧州ではM&Aアクティビティが活発化、フィンランドのKoneがTK Elevatorを€29.4B(約$34.4B)で買収と発表し欧州PE史上最大級のExit案件に。UBSはQ1利益+80%急増でIran戦争由来のトレーディング活況を確認、ただしCEO Ermotti氏は「投資家のIran情勢に対する過度の楽観姿勢」に警鐘。新興市場はEM株式指数が史上最高値でTSMC・Samsung・SK Hynixの半導体株主導の戻り高値、Hong Kong貿易赤字は1952年以来最大でAI需要由来の輸入急増を反映。米中AI規制と関係なくAIインフラ需要は構造的に拡大しており、暗号資産はBTC 76,504(-1.43%)と全面安だが月次レンジ$75,000-80,000での揉み合い継続局面です。

編集部の見方
日銀の据え置き+植田ハト寄り会見は短期的には円安・日経下支え材料ですが、本質的には「Iran連動利上げ」スタンスの初提示であり、エネルギー価格と為替政策が直接連動する新しい運営フレームの兆候を示しています。日本居住者の典型的なリバランス指針: (1)円安再加速の地合いでドル建て10年債(4.34%)への新規組入れは段階的ビルドアップを継続、(2)日経60,000円割れは押し目買いの目安として機能、配分20-30%の維持と利上げ実現時の追加買い余地を温存、(3)WTI98ドル台後半・100ドル超えはエネルギー・商社配分の過熱感を意識し、新規組入れは控えめに、(4)金4,650ドル割れは長期保有者にとって押し目水準、ポートフォリオ5-10%目安の維持・部分積み増し検討、(5)4/29米Q1 GDP・5/2 NFP・5/6 FOMCの結果を見極めてから個別アセットへの追加リバランスを実施、というステップアプローチが現実的。UAEのOPEC脱退は中長期的にOPEC+の生産規律維持能力低下を示す構造変化で、原油価格のボラティリティ拡大・予測可能性低下を意味します。エネルギー関連株(INPEX、出光、ENEOS、Exxon、Chevron)は引き続き追い風が続く展望ですが、UAE単独の増産が市場にフルに反映されるまでには数四半期を要し、その間はIran情勢由来の地政学プレミアムが上回る局面が継続する公算大です。
指標7日トレンド最新値
米10年債利回り4.34%
ドル円159.39
S&P 5007,173.91
4,648.30

日本|日銀据え置き+植田「Iranインフレで利上げ対応」発言、日経-1.02%で60,000円割れ|日本タンカー初のホルムズ通過

日経平均は59,917.46円(-619.90、-1.02%)と反落し、前日定着した60,000円の節目を再び下回って取引を終えました。前場は60,300円台で堅調にスタートしましたが、日銀政策決定会合の結果待ちで売り買い拮抗、午後の政策金利据え置き発表は概ね予想範囲内ながら、続く植田総裁の記者会見でのバランスコメント(「Iranインフレで利上げ対応するが景気にも目配り」)がハト寄りに解釈され利上げ織込みが後退、円安再加速も伴って日経は59,800円台まで下押しした後、終値ベースで59,917円に。東証プライム売買代金は4.2兆円台と前日の4.5兆円から減少しています。

セクター別では銀行・保険の金融セクターが利上げ織込み後退で-2.0〜3.5%と全面安、三菱UFJ-2.5%、三井住友-2.8%、みずほ-3.1%、東京海上-2.0%が下落を主導しました。一方で、輸出関連株は円安再加速のサポートで小幅まちまち、トヨタ-0.5%、SUBARU-0.8%、キヤノン+0.3%。日産自動車は前日の業績上方修正による反動安で-1.5%、日立製作所は前日の過去最高益開示後の利益確定売りで-2.2%。半導体装置(東京エレクトロン-1.0%、SCREEN-1.8%、ディスコ-2.0%、アドバンテスト-1.2%)も米株NASDAQ僅か高ながら日本市場特有の利益確定売りに押され軟調でした。

日銀は同時に「経済・物価情勢の展望」(4月、基本的見解)を公表、コアCPI見通しを2026年度+2.4%(前回+2.3%)にやや上方修正、Iran情勢の物価への影響は「上下双方向のリスクとして注視」と表現。NHKは「日銀は今後の金融政策で物価と景気への目配りが必要、難しい対応も」と報道し、Iran情勢由来のコスト・プッシュ型インフレと景気減速の同時進行リスクを浮き彫りにしました。同日夕刻にはIran国営メディアが「原油を積載した日本関係の大型タンカー(目的地:名古屋)がイラン当局の許可を得てホルムズ海峡を通過」と報道、事実上封鎖以降で日本関係船舶の初通過事例となり、日本のエネルギー輸入に短期的な安心材料となりました。一方でGMが米最高裁の相互関税無効判決により約800億円の関税返還見込みを開示、トヨタ・ホンダ等の日本自動車メーカーへの返還適用範囲も今後数週間で具体化する見通しです。

編集部の見方
日銀据え置き+植田ハト寄り会見は短期的には円安・株式下値支援要因ですが、「Iran連動利上げ」スタンスは6-8月会合での利上げ実現可能性を温存しており、ポジション最終調整は引き続き必要。日本居住者の典型的な分散ポートフォリオでは、(1)日経60,000円割れは押し目買い目安として機能し、配分20-30%の長期保有を維持、(2)金融セクターは植田会見後退局面での選別組入れ余地(三菱UFJ・三井住友の配当利回り3.5-4.0%水準は依然魅力的)、(3)輸出株(トヨタ・SUBARU)は円安再加速で短期支援だがGM関税還付の波及で米国市場での競争環境が改善する中期テーマに変化、(4)半導体装置株は5/6 FOMC通過後の組入れ判断推奨、というアプローチが妥当。日本関係タンカーのホルムズ通過は短期的に安心材料ですが、Iran情勢の解決が見通せない中、日本のエネルギー輸入は引き続き地政学リスクの最前線にあります。商社株(三菱商事・三井物産・伊藤忠・住友商事・丸紅)は引き続き追い風材料が続く展望で、配当利回り3.5-4.5%水準の維持と業績の地政学リスク織込みが進む構図。GMの関税還付決着はトヨタ・ホンダ等の日本企業にも波及し、米国販売収益の上ブレ要因として中期的な好材料です。日銀が4月「Iran連動」スタンスを示したことで、6/16-17会合での+15bp利上げシナリオは55-60%レンジで温存されており、為替ヘッジ戦略は158-161円レンジでの段階的調整が引き続き合理的です。

米国|S&P 7,174(+0.12%)・NASDAQ 24,887(+0.20%)で記録高値圏維持|Starbucks上方修正・GM関税還付800億円・Disney FCC審査

4/27(月・米国時間)の米株は記録高値圏で小幅高。S&P 500は7,173.91(+8.83、+0.12%)、NASDAQ総合は24,887.10(+50.50、+0.20%)と僅か上昇、ダウ工業株30種も小幅高で記録高値圏を維持しました。直近7営業日のS&P推移は7,126→7,109→7,064→7,138→7,108→7,165→7,174で、4/27の終値が直近高値を更新。米10年債利回りは4.34%(+0.03、+0.60%)と再び上昇基調、CME FedWatchの6月利下げ確率は40%水準にやや後退しています。

個別株ではStarbucksがQ2決算で既存店売上+6.2%、通期業績見通しを上方修正と発表し時間外で+6%急騰。CEOの「ターンアラウンドが軌道に乗り、ガソリン高にも関わらず業績堅調」とのコメントが好感されました。若年層・低所得層客の回帰が業績回復のドライバーで、店舗訪問頻度の改善が確認されています。GMのMary Barra CEOは「Iran戦争でコスト増だが高額車は依然好調販売」とコメント、同時に米最高裁の相互関税無効判決により約800億円($534M相当)の関税返還見込みを開示しました。FCCがDisneyの放送ライセンス更新審査を予定より数年早めて開始と発表、DEI政策への懸念を理由に挙げており、Disney株は時間外で-1.5%軟化。JetBlueはSpirit Airlines破綻空白を埋めるFort Lauderdale拡張戦略を発表し米国航空セクター再編の継続が確認されました。

今週はQ1決算シーズンのピーク週で、Apple・Meta・Microsoft・Amazon等のメガキャップが順次発表予定。4/29(水)米Q1 GDP速報(予想+2.2%)5/2(金)米4月雇用統計(NFP)5/6(水)FOMC・パウエル議長会見と重要イベントが続き、ボラティリティ拡大が見込まれます。米航空業界では運賃値上げにも関わらず予約堅調と業界幹部がコメント、燃料コスト転嫁が浸透し旅客需要は底堅く推移。Robinhood保有顧客は予測市場(Polymarket、Kalshi)に資金シフトしIran情勢由来のボラティリティに対するヘッジ需要が確認されました。Bank of MericaのアナリストはMetaのQ1決算を控え「消費者向け広告以外でのAI収益化能力」を疑問視するレポートを公表、AI投資の持続的収益化への市場の懐疑が強まっています。

編集部の見方
S&P 500・NASDAQの記録高値圏維持は依然として強い上昇トレンドの継続を示しており、Starbucks・GM等の個別株決算が市場全体を下支えする構図。ただし4/29 GDP・5/2 NFP・5/6 FOMCの3イベントが連続するため、新規組入れは様子見が無難。日本居住者のNISA・特定口座投資では、VOO・IVV(S&P500型)の積立は継続維持し、QQQ(NASDAQ100型)への追加組入れは5/6 FOMC通過後まで待つのが現実的です。GMの関税返還決着は米国自動車セクター全体への追い風で、Ford・Stellantis等の同業他社にも適用される見通し。トヨタ・ホンダ等の日本企業の米国販売部門もこの判決の恩恵を受ける可能性が高く、関連商社(三菱商事、三井物産)にもフィードバック効果が期待できます。米10年債4.34%は依然として魅力的水準で、新規ドル建て10年債組入れは4.30-4.40%レンジで段階的ビルドアップを推奨。Disney-FCC審査はメディアセクターの規制リスクとして短期的逆風ですが、Disneyブランドの長期収益力は維持されており、ETF経由(XLC)での分散組入れは引き続き有効。Meta決算前のAI収益化能力への懐疑は短期的な株価変動要因として認識すべきで、AI関連の構造的需要そのものは継続するため、半導体ETF(SOXX、SMH)への中期配分は維持が合理的です。航空セクターはIran情勢由来の燃料コスト上昇を運賃に転嫁できる需要構造が確認されており、JETS等のETF経由での選別組入れも検討余地があります。

欧州|STOXX 600 607.02(-0.30%)で続落、Kone-TK Elevator $34.4B欧州PE最大買収・UBS Q1利益+80%・ECB各種調査公表

4/27(月・欧州時間)の欧州株はSTOXX 600が607.02(-1.82、-0.30%)と続落、DAXは小幅安、CAC40は微減、FTSE100はほぼ横ばいで終了しました。Iran情勢の長期化織込みとUAE OPEC脱退の波紋がリスクオフ要因として作用、欧州株は3日連続の小幅安で推移しています。週中盤の最大ニュースはフィンランドのKoneがドイツのTK Elevatorを€29.4B(約$34.4B、債務込み)で買収すると正式発表したこと。欧州プライベートエクイティ史上最大級のExit案件として市場は注目、欧州M&A活発化の象徴的事例となりました。

金融セクターではUBSがQ1利益+80%急増と発表しトレーディング益が市場予想を大幅上回りました。Iran戦争由来の市場ボラティリティに伴うトレーディング活況が背景で、UBS株は欧州時間で+5%以上急騰。CEO Sergio Ermotti氏は「金融市場はIran情勢に対して過度に楽観的になりつつある」とむしろ警鐘を鳴らし、市場関係者からは「自社の好決算を発表しながらリスク認識を促す慎重な経営姿勢」と評価されています。FTは「UBSの記録的決算は中東戦争の市場混乱が銀行のトレーディング活動を活発化させた」と分析。Volvo(中国Geely傘下)はGeelyにEU内製造を許可する方向で協議中とSamuelsson CEOが明かし、欧州自動車生産の中国メーカーへの開放が現実化しつつあります。Aston MartinはQ1も再度の損失計上で経営再建が停滞、Lawrence Stroll体制下での立て直しに疑問符が呈されました。

ECB「Consumer Expectations Survey results - March 2026」「April 2026 euro area bank lending survey」を同時公表。インフレ期待は短中期で安定推移するも、銀行の貸出条件はやや厳格化傾向が確認されました。Iran情勢を踏まえた信用リスクへの慎重姿勢が反映されており、ECBの6月利下げシナリオには中立的影響。BBC Businessは「新たな金融危機が来る可能性、ただし2008年とは異なる形で」と論考を掲載、低成長・高インフレ・地政学リスクの三重苦が次の危機の引き金になり得ると警告。一方でUAEのOPEC脱退は欧州エネルギー戦略にとって複雑な意味を持ち、独自増産による中期的な原油下押し効果が期待される一方、OPEC+の生産規律低下による予測可能性低下リスクも認識されています。

編集部の見方
STOXX 600の続落はIran情勢長期化の織込み進行と、UAE OPEC脱退の構造変化リスクを反映する局面。Kone-TK Elevator $34.4B買収は欧州M&A市場の活発化を象徴し、産業セクターの構造再編が中期テーマとして浮上。UBSのQ1+80%は短期的な金融セクター追い風だが、Ermotti氏の「Iran情勢に対する過度の楽観」警告は投資家にとって重要なシグナル。日本居住者がEUR建て金融株を保有する場合、UBS・BNP・ING等の主要欧州銀行株は配当利回り4-6%水準で米10年4.34%との相対魅力を維持しており、組入れ維持は依然として合理的。Volvo-Geelyの欧州生産協議は欧州自動車セクターの中国開放を象徴し、欧州自動車株(VW、BMW、Mercedes)への中期競合リスクが増しています。日本のトヨタ・ホンダ・SUBARU等の欧州販売戦略にも影響を与える可能性。ECB調査の貸出条件厳格化は欧州中小企業の資金調達環境にとって短期的逆風で、欧州中小型株ETF(IEUS、SMC)保有者は配分の慎重再評価が必要。Iran情勢長期化シナリオを踏まえると、欧州ディフェンシブ(電力・公益・通信)への配分シフトと、英ポンド建て資産の部分円転戻し(GBP/JPY 215円台水準)が短期的な防衛策として有効です。Critical Raw Materials Actとの連動でコバルト・銅・希土類関連株(Glencore、Anglo American、住友金属鉱山)は引き続き構造的支援要因が継続しています。

商品・暗号|UAE OPEC脱退でWTI+2.31%の$98.60(取引中100ドル超)、金-0.96%・銀-2.15%続落|BTC -1.43%・ETH -1.83%全面安

原油市場は地政学テーマで急騰。WTI原油は$98.60(+2.23、+2.31%)と続伸、取引中には$100ドル超えを記録しました(4月中旬以来)。Brentも$103ドル台に。背景は3つの同時要因: (1)UAEのOPEC脱退正式発表でOPEC+生産規律維持能力への不確実性増大、(2)Iran戦争61日目でホルムズ海峡封鎖継続、Trump大統領「Iranは崩壊状態」発言と湾岸諸国首脳サウジ協議、(3)世界銀行の「2026年エネルギー価格 前年比+24%上昇予想」でウクライナ侵攻以降の最高水準警告。一方日本関係の大型タンカー(目的地:名古屋)がIran許可を得てホルムズ海峡を初通過、日本のエネルギー輸入に短期的な安心材料となりました。China Petrochemical(Sinopec)・CNOOCのQ1決算は原油急騰を反映して上振れ、香港市場で関連株は+0.7-1%程度の上昇でした。

貴金属は揃って軟調続き。金(NY先物)は$4,648.70(-45.00、-0.96%)と続落、銀は$73.42(-1.61、-2.15%)とより大きく下落しました。直近7営業日の金推移は4,807→4,698→4,732→4,705→4,722→4,675→4,648で、米10年債利回り4.34%への上昇継続が金売り圧力に。ただしBloombergは「中央銀行は2026年Q1も活発に金を購入、過去1年で最速ペース」と報道、価格下落は需要が衰えたためではなく、価格自体の調整局面であることを示唆。長期的な構造支援要因は維持されています。UAEのOPEC脱退とコンゴ鉱山警備への米UAE共同関与は重要鉱物(コバルト・銅・希土類)供給網の地政学的再編を加速、LME銅は$10,200/t水準維持、ニッケル・コバルトも堅調推移。

暗号資産は全面安。BTC $76,504(-1,110、-1.43%)ETH $2,274(-42、-1.83%)SOL $83.71(-1.56、-1.83%)BNB $622.44(-3.20、-0.51%)と全銘柄下落。リスクオフ気味の地合いとIran情勢に対する暗号資産の連動性は依然として限定的だが、月次レンジ$75,000-80,000での揉み合いが継続。テクニカル節目の$75,000を下回らない限り、構造的下落トレンドではない局面。米Spot Bitcoin ETF(IBIT、FBTC)への週次資金流入はIran情勢長期化織込みでやや弱含みだが、年末予測では$85,000-100,000水準が依然としてベースケースとして機能。Hong Kongが1952年以来の貿易赤字を記録(AI需要由来の輸入急増を反映)、AIインフラ需要は引き続きグローバル経済の構造的牽引役として機能しています。

編集部の見方
WTI98ドル台後半・取引中100ドル超は地政学プレミアムを織込む高値圏ですが、UAE OPEC脱退による中期的な構造変化は原油価格の予測可能性低下を意味し、ボラティリティ拡大局面入りを示唆します。日本居住者のエネルギー関連株(INPEX、出光、ENEOS)と商社株(三菱商事、三井物産、伊藤忠、住友商事、丸紅)は引き続き追い風材料が続く展望、ただしUAE単独増産が市場に反映されるまでには数四半期を要するため、目先はIran情勢由来の地政学プレミアムが上回る局面が継続する公算大。日本のエネルギー輸入額膨張による経常収支悪化と円安加速のリスクは、長期的なヘッドウィンドとして引き続き注視が必要です。金$4,650割れは押し目買いの基準として機能し続け、ポートフォリオ全体の5-10%目安での金ETF(GLD、IAU)配分維持は引き続き合理的、Bloombergの中央銀行Q1金購入加速報道は構造的な需要支援要因として機能。銀の急落-2.15%は短期テクニカル要因の側面が強く、$70-73ドルレンジでは買い増し検討余地あり。LME銅・コバルト・ニッケル等の産業金属は、UAE+米のコンゴ鉱山関与と中央銀行金購入加速の2軸支援で構造的需要が見込まれ、関連ETF(COPX、PICK)への中期配分は妥当。BTC$76,000-77,000は月次レンジの中央値で、ポートフォリオ配分の5-10%以内での維持が合理的、$75,000割れがあれば中期買い増しの判断材料。ETH $2,300台はBTCに対しての相対パフォーマンスが弱含みだが、Layer 2エコシステム拡大とDeFi利用増加の構造要因は維持されており、長期投資家にとって配分維持は妥当。Iran情勢の長期化織込みとUAE OPEC脱退の波紋は短期的にコモディティ・暗号資産双方にボラティリティ要因として機能しますが、構造的なAIインフラ需要・重要鉱物供給網再編は変わらず、ETF経由での分散組入れが推奨されます。

向こう1週間の注目イベント

向こう1週間の注目イベント
  • 2026-04-29
    22:30(JST)
    米 Q1 GDP速報(予想+2.2%)
  • 2026-04-29
    終日
    米 Q1決算ピーク週(Apple/Meta/Microsoft/Amazon順次発表)
  • 2026-04-30
    10:30(JST)
    中国 4月 製造業PMI(予想49.9)
  • 2026-04-30
    21:30(JST)
    米 3月 PCEデフレーター(FRB注目指標)
  • 2026-05-01
    21:00(JST)
    ユーロ圏 4月 CPI速報(予想前年比+2.3%)
  • 2026-05-02
    21:30(JST)
    米 4月 雇用統計(NFP)
  • 2026-05-06
    03:00(JST)
    FOMC結果発表・パウエル議長会見
  • 2026-05-07
    20:00(JST)
    英BoE 金融政策決定会合
  • 2026-05-08
    21:30(JST)
    米 4月 CPI(前月比予想+0.3%)

出典・参照

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